窓と猫

天気のよい昼下がり、住宅地を歩いていたら、ふと、猫と目があった。
通りに面した日当たりのよい窓の前に座っていたその猫は、一瞬目があうと、すぐに小さなあくびをし素知らぬ顔で毛づくろいを始めた。
そういえば、昨日もこの猫と目があった。
赤い首輪をし、白に黒いぶちのすました猫。
でも、昨日は通りを見下ろす2階の窓の前に座っていた。
よく見ると、今彼女(彼?)の居るところにも、昨日いたところにも、白い小さな座布団が見える。
眺めが良く日当たりの良いそれらの場所は、彼女のお気に入りのなのだろう。
きっと彼女は、毎日お気に入りの場所で、通りや通る人を眺めているのだ。
通勤している大人たち。学校へ通う子供たち。カートを引きながらゆっくり歩くお年寄り。
サーッと通り過ぎる自転車や自動車。
芽吹いては萌え枯れてゆく木々。雨の日風の日晴れの日。
彼女の瞳には、この風景ががどんな風に映っているんだろう?
毎日毎日同じだけど、すこしずつ違う日々。
彼女はいったいどんなことを知っていて、どんなことに思いを馳せているんだろう?
あたしは彼女その何もかも見透かすような瞳に、どんな風に映っているんだろう?
ぼんやり考えてるうちに、いつの間にか毛づくろいを終えた彼女は、こちらを気にする様子もなく、再びすました顔で通りを眺めていた。


